こんにちは。けみかです。
先々週の9/29(火)、NTTが「NTTドコモを完全子会社とするため公開買い付け(TOB)」を行うと発表しました。
これを受け、
「今持っているNTTドコモ株はどうすればいいの?」
「TOB後、NTTドコモが上場廃止したら持っている株の価値は無くなっちゃうの?」
というように不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。
今回は、このNTTドコモ株についてどう処理をすればいいのか?ということを考えていきます。
そもそもTOBって何?
ニュースを聞いているとたまに出てくるこの言葉。意味はご存知でしょうか?
TOBとは、”Take Over Bid”の略で、日本語では「株式公開買い付け」と呼ばれます。
通常、上場企業の株式は市場で自由に売買されますが、ある株を大量に取得したいときに市場で購入しようとしても、一度に多量の株を集めるのは難しいですし、また株価の変動により想定を超える高値で買うことになるリスクもあります。
そのようなときにこのTOBが有効となります。
TOBでは、あらかじめ「①購入期間、②購入株数、③購入価格」を決めておき、一括で買い付けを行います。このようにすることで、必要な株数を予算内で計画的に取得しやすくなります。
今回のTOBでは以下のように告知されていました。
期間:2020年9月30日~2020年11月16日16時
株数:1,090,896,056株(保有率100%の完全子会社化を目的とする)
価格:3,900円
このとき、購入価格(TOB価格)は市場価格にいくらか上乗せして決められることが多く、これをプレミアムといいます。
今回、NTTドコモ株のTOB価格は3,900円と発表されましたが、TOB発表直前の9/28終値は2,775円だったので、これに対して1125円(40.5%)のプレミアムが付いたことになります。
これに追随するように、9/30の市場価格は3,885円まで急上昇しました。

こんなに株価が急上昇することはそうそう無いので、今現在ドコモの株を持っている人は

はやく売りたい!!お金ほしい!!
と思っている人も多いでしょう。
が、TOB公表後の売却には色々と制限があるので気を付けなればいけません。
単元株を保有している方の場合
まず、単元株と単元未満株について説明します。
単元株:通常購入可能な最小単位。ドコモをはじめ100株としている会社が多い。
単元未満株:単元株より少ない数の株。少額投資が可能だが、扱っている証券口座が少ないなどの難点もある。
最近はSBIネオモバイル証券やLINE証券などを使った少額投資が流行しているので、むしろ単元未満株の方が一般的のように思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
単元株、すなわち100株以上のドコモ株を保有している方は、これまでと同様に市場での売買が可能です。市場価格がTOB価格と遜色無くなっている今、さっさと売ってしまうのもありでしょう。
単元未満株を保有している方の場合
さて、問題となるのは単元未満株、すなわち100株未満を保有している場合です。
かくいう私もこちらに該当します。ドコモ株は7株しか持っていません(`・ω・´)
保有数が100株未満の方は、市場で株を自由に売却することができなくなります。実際にお持ちの証券口座で売却してみようとすると、もう出来なくなっていることが分かると思います。

えっ、じゃあもうずっと持ち続けるしか無いの…?
いいえ、市場での売買はできませんが、以下のような3つの選択肢があります。
①TOBに応募
今回のTOBに際しては、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が公開買付代理人を務めているので、この証券会社に買付を申し込むことで、TOB価格で売却することができます。
とはいえ、とりわけ単元未満の株を保有している人が三菱UFJモルガン・スタンレー証券を使っているケースはかなりレアなのではないでしょうか…?
私のように普段SBIネオモバイル証券を使って取引しているような人は、まずは三菱UFJモルガン・スタンレー証券の口座を開設する必要があります。この段階で数週間以上かかることは覚悟した方がいいかもしれません。
口座の開設が済んだら、次はSBIネオモバイル証券の方から株の移管手続きをします。
最後に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券に「公開買付応募申込書」を提出することで手続きは完了となります。
当然ながら、この公開買付応募申込書に記入した数量の株と、実際に三菱UFJモルガン・スタンレー証券口座に移管した株の数量が異なる場合は無効となってしまうので気を付けましょう。
②買取請求
私のようなSBIネオモバイル証券のユーザーには、より簡便な方法として「買取請求」というものがあります。
買取請求とは、株主名簿管理人(信託銀行など)で処理をした日の終値等で買取りにより現金化する方法です。 S株(単元未満株)で売却ができない銘柄の場合などに買取請求にて現金化が可能です。
SBIネオモバイル証券HPより引用
具体的な手順は以下の通り。
①「単元未満株式買取請求取次依頼書」を印刷し、必要事項を記入する。
②本人確認書類の写しを添えてSBIネオモバイル本社に郵送する。
③通常約2週間後に売却代金が振り込まれる。
と、TOBに応募するより流れは簡単ですが、500円(税込550円)の手数料が掛かってしまうのが最大の難点です。
数十株保有している方には誤差程度の金額かもしれませんが、7株しか持っていない私には550円の手数料はかなり大きいです(^^;)
また、結局は市場価格で売却することになるので、TOB価格を大きく下回る可能性が無いこともないということも念頭に入れておく必要があるでしょう。
③ホールドを続ける
最後に、売却をせずに保有を続けるという選択肢もあります。
TOBが終了後、NTTドコモは上場廃止となる見込みです。
その後、NTTは巷にあふれる残りのドコモ株を買い取る(強制買取)ことになりますが、このときの価格はTOB価格と同値です。
つまり、TOBが成功する可能性が高いと思えば、ずっとドコモ株を持ち続けていても最終的にはTOB価格と同じ3,900円で売却することができます。
TOB成立の不確実性などから一般的にこの方法は推奨されません。
が、今回のTOBはほぼ確実に成立するでしょうし私は保有したままでいようかな~と思います。
TOB応募の際の煩雑な手続きや買取請求に必要な手数料が無いというのは素晴らしいですしね。
ただし、実際に売却代金が振り込まれるのは上場廃止から数か月程度経過した後になるので、緊急に換金したい人などにはおすすめしません。
まとめ
以上、TOBに際して保有しているNTTドコモ株をどうするか?について考えました。
まとめると、
①市場で売却する(100株以上保有している場合のみ)
②TOBに応募する
③買付請求を行う
④ホールドし続け、上場廃止後の強制買取に託す
の4通りになりますが、私は④の方法を採用することとします。
私は日本株は配当を目的に購入しているので、基本的にはホールドを続けるスタンスを取っており、売却するという選択肢を考えたことはありませんでした。
1ヶ月前の記事なので今とはちょっと異なりますが、私の日本株ポートフォリオはこんな感じです↓
保有企業のTOBは初めてで、また株式の売却自体初めての経験となりますが、今回は色々と調べて勉強する良い機会になったと思います。
小規模な個別投資には「SBIネオモバイル証券」が便利!
単元未満株の売買が可能な証券会社はいくつかありますが、なかでも私はSBIネオモバイル証券を利用しています。
その最大の理由は手数料の安さにあります。単元未満株を扱っているマネックス証券やauカブコムの手数料はいずれも取引毎に約定代金の0.5%(最低手数料48円)となっているのに対し、SBIネオモバイル証券の手数料は月に50万円以下であればどれだけ株の売買をしても月額220円で固定となっています。
さらに、SBIネオモバイル証券ではTポイントが毎月200ポイント付与され、これを1ポイント=1円として株の購入に使用できます。
つまり、月額220円の手数料を支払い、200円相当のTポイントが付与されるので、結局その差額20円のみを支払うことで月に50万円以下であればいくらでも売買が可能ということになります。
なお、50万円を超えた場合の手数料は、50万~300万円の売買では1,100円、300万~500万円の売買では3,300円となります。まぁ投資初心者でこんな大きな金額を扱うことは無いと思いますが…。
月間取引金額 | 手数料(税込) |
50万円未満 | 220円 |
50万超~300万円以下 | 1,100円 |
300万超~500万円以下 | 3,300円 |
500万超~1000万円以下 | 5,500円 |
以後、100万円毎 | 1,100円加算 |
また、約定料金は「売」「買」双方の合計となりますが、基本的に売却をせず保有し続けるような高配当株投資では、購入額の合計だけに気を付けていれば問題ありません。
少額から株の売買を行うことは、実際の取引に慣れるという観点からもとても優れた方法だと思います。
特に定年退職して退職金がまとめて入ったような人にありがちですが、一気に多額の資金を投資に回して失敗してしまうようなことは絶対に避けなければなりませんね(´・ω・`)
というわけで、皆さまもSBIネオモバイル証券を使って投資家デビューされてみてはいかがでしょうか(^^)

ではでは!
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