こんにちは。けみかです。
ここ最近FIREに関する記事や書籍が一気に増えてきたような感じがありますね。
FIREが”Financial Independent Retirement Early”の略であり、「経済的自立」と「早期退職」の意味だということは今さら説明するまでもないくらい世間に認知されている気がしますね。
FIREを目指す理由は人それぞれでしょうが、

はぁ~~入社したはいいけど給料安すぎてやってらんねー

毎日残業で夜中まで帰れない……仕事やめたい……
みたいな感じでネガティブな理由な人が多いイメージがあります(主観)。
では私は?というと、確かに会社行くのだるいな~と思うこともありますが(というかしょっちゅう思ってますが)、仕事の内容も職場の人間関係もそんなに悪くない、というかむしろ好きなので今すぐに会社を辞めたいということはありません。
とはいえ。
65歳の定年まで勤務を続けるとするとまだ30年以上も期間があるわけですが、今の職場の今の環境が続くことはあり得ませんね。上司も同僚も変わるだろうし、私自身が全く関係のない部署へ異動する可能性もあります。一般的なサラリーマンの宿命ですね。はい。
そんな不確定な未来で会社員を続けるにおいて、会社が潰れるとか自分がクビになるとかいう可能性はひとまず置いておくにしても、自分と全く合わない人が上司(同僚・部下)になったり、どうしても好きになれない仕事を担当することになる可能性も少なくないと思うんですよね。
そんなときは転職を考えるのも一つの選択肢ですが、欲を言えば経済的な不安なく辞表を叩きつけられるくらいの資産があると、精神的にもかなり楽になると思います。私が資産運用を続ける理由の大半がこれですね。
勤務先の風土や人事の傾向を考えると、そのような時が来るのは私が50歳前後になる頃かと思いますが、そのあたりでいっそリタイアしてしまうのが理想です。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、昨今巷で話題になっているFIREは20代や30代といったかなり早い時期のリタイアを目指していることが多い印象ですが、私のようにやや遅めのリタイアを考えている人には、今回紹介する書籍「日本版FIRE超入門(山崎俊輔 著)」はお勧めです。
まずは”プチFIRE”を目指そう
本書では60歳でのリタイアを”プチFIRE“と名付け、これを目標にすることを勧めています。

いやいや、60歳とかもうほとんど定年じゃん。そんな年でリタイアしても意味ないでしょ。
などと思うなかれ。65歳定年制が根付きつつある昨今、リタイアを5年早く実行できればその分趣味など自分の好きなことに時間を回すことができます。
そして資産運用を堅実にしていればかなりの高確率で達成できるのも魅力です。リタイアへ向けた資産運用としては多くの人がインデックス投資の投資信託やETFを毎月積み立てるという方法を取ると思いますが、そこで重要な要素は、①対象とするインデックス、②毎月の積立金額、③積立年数、④運用利回り、⑤リタイア後から公的年金を得られるまでの期間です。プチFIREの場合、⑤の期間が60歳から65歳までの5年間だけと圧倒的に短くなり、そのため必要な金額もかなり抑えることができます。
例えば年間生活費が300万円の人は、1500万円あれば運用せずに取り崩すだけでも事足りますが、まぁいわゆる2000万円を考慮すると、計3500万円あると安心ですかね。リタイア後も運用を続けるのであれば更に少なく済みます。
現在インデックス投資の王道とも言うべきS&P500を積み立てるとし、入社後22歳から60歳までの38年間、年率6%で運用できるとすると、毎月の積立額は約20,000円で済んでしまいます。資産運用簡単シミュレーション(アセットマネジメントOne)での試算結果を以下に示します。

これなら成功の可能性が高いのも頷けますね。
更に資産額を増やせる見込みがあるなら、50歳FIRE、40歳FIREと段階的にリタイア想定年齢を引き下げていくことが出来ます。
ここで注意しなければいけないのは、リタイア後から公的年金が貰えるようになるまでの期間が延びることと、貰える年金額も60歳リタイアと比べると少なくなっていることです。厚生年金保険料を納める期間が短くなるので当然ですね。
4%ルールの盲点
さて、インデックス投資の出口戦略として有名なものに4%ルールというものがあります。資産を全く運用せずに初期資産の4%相当額を毎年取り崩すと100÷4 = 25年で資金が底を尽きます。一方で、アメリカの株式(S&P500)と債券(AGG)を75:25の比率で保有し、同様に初期資産の4%相当額を毎年取り崩していっても、100%の確率で25年後にも資産が残っているというものです(トリニティ・スタディ)。これが、よく言われる「年間生活費の25年を貯蓄し、運用しながら4%ずつ取り崩せばFIRE可能」たる所以です。
しかし、これはアメリカに住んでいる人がアメリカで運用してアメリカで暮らすことを想定しています。
私のようにリタイア後も日本で暮らしていく場合にはいくつか注意点があります。為替リスクや、運用益や配当金にかかる税金がそうですが、これらを考慮せずに

そっか!とりあえず25年分の生活費があれば仕事辞められるんだな!がんばる!!!!!
と突っ走るのはかなり危険だと思いますので気を付けましょう。
プチFIREでも十分アーリーリタイア?
会社の”定年”は時代とともに変化してきました。昭和初期は55歳定年が一般的であったものが、寿命の伸長ともに徐々に引き上げられ、1998年に60歳定年となりました。さらに2013年には希望する社員に対し65歳までの雇用を確保することが義務付けられました。
そして今年(2021年)4月には70歳までの就業機会確保が努力義務となっています。これまでの歴史に鑑みると、今後定年が70歳に引き上げられるのはほぼ確実でしょう。私が高齢者になる頃には75歳定年となっているかもしれません。
そのような状況では、先述のプチFIREでも十分アーリーリタイアに相当すると私は思います。仮に75歳定年となっていれば15年も早くリタイアすることになるわけですから、これを目標とするのも大きな意義があるでしょう。
FIREした後はどうするか
FIREを目指すとつい資産形成に躍起になってしまいがちですが、いざFIREを達成した後にさて何をするかを考えておくのも同じくらい重要です。数十年も暇を持て余しては精神的にも苦しくなってしまうでしょう。
この本では「終わりがある/ない趣味」「お金がかかる/かからない趣味」「一人で/複数人でやる趣味」「インドアの/アウトドアの趣味」の区分を予め考えておくことを勧めています。いざ退職を決めた後に手持無沙汰にならないようにしたいですね。
「働いてはいけない」わけではない
FIREした後でも、結局働いている人は多いようですね。ただそれは完全に自分な好きなことをビジネスとしている場合が多い印象です。ブロガーとかユーチューバーとか、本の執筆とか講演活動とか。
会社員の場合、会社で過ごす時間が多くを占めるため、そのおかげで良くも悪くも社会とのつながりを保てている側面があります。FIREするとこの部分がぽっかりと消えてしまうので、社会との隔絶を防ぐためにも、上記のようなものを含め何かしらの活動はした方が精神衛生上も良さそうな気がしますね。
FIRE後は基本的に収入の心配はしなくていいので、どれだけ少ない報酬でも、あるいは完全に無報酬となっても好きな仕事を出来るというのは大変大きな強みだと思います。
おわりに
最終的にリタイアするにせよしないにせよ、FIREを目指して資産形成を試みるのは今後の人生(特に家計)に良い影響を与えるのは間違いありません。
仮にFIREを目指して目標金額に達成できずFIRE出来なかったとしても、その生活で身に付いた日々の節約や投資の経験・習慣は必ずプラスに働きます。
ともにがんばりましょう^^
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