【社会人の学び直し】数学検定1級に合格した話

算数の問題 学習

こんにちは。けみかです。たまにはこんな記事でも書いてみようかと(笑)

予め申しておきますと、私が数検1級を取得したのは2017年なので3年前のことになります。というかもうそんなに経ったのか…。最近本当に月日が経つのが早い…。

数検の概要

当時の合格証

みなさま、数学検定(数検)というものをご存じでしょうか。正式名称は「実用数学技能検定」といい、文部科学省後援の資格となっています。

「実用数学技能検定」(後援=文部科学省)は、数学・算数の実用的な技能(計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明)を測る記述式の検定で、公益財団法人日本数学検定協会が実施している全国レベルの実力・絶対評価システムです。

おもに、数学領域である1級から5級までを「数学検定」と呼び、算数領域である6級から11級、かず・かたち検定までを「算数検定」と呼びます。

© 公益財団法人 日本数学検定協会 実用数学技能検定公式HPより引用

英検漢検とよく並列に扱われますね。とはいえ正直一番影が薄い気がするのは私だけでしょうか。

レベルとしては、まず11級から6級はそれぞれ小学校1年生から6年生に、5級から3級はそれぞれ中学校1年生から3年生に対応しています。続いて準2級は高校1年生、2級は高校2年生、準1級は高校3年生(数学Ⅲを含む)のレベルとなっています。

出題範囲などは次の通り。数学検定のホームページに詳しく記載されています。

対応学年出題範囲二次試験合格率
11級小学校1年生整数の足し算・引き算、時計の見方etc.95.9%
10級小学校2年生九九、分数etc.95.2%
9級小学校3年生二桁の掛け算、面積etc.91.2%
8級小学校4年生整数の四則混合計算、表とグラフetc.87.6%
7級小学校5年生小数の四則混合計算、体積etc.79.2%
6級小学校6年生簡単な文字式、資料の整理etc.84.8%
5級中学校1年生負の数を含む四則混合計算、一次式etc.72.3%
4級中学校2年生連立方程式、一次関数、合同・相似etc.70.2%
3級中学校3年生二次方程式、平方根、三平方の定理etc.59.0%
準2級高校1年生二次関数、場合の数・確率、数列etc.37.3%
2級高校2年生高次方程式、軌跡と領域、ベクトル、複素数etc.30.4%
準1級高校3年生極限、微分法、積分法、行列、基礎統計etc.18.9%
合格率は、私が受検した2017年度のものを記載しました。

また、5級以上になると全て二次試験の受検も必要です。正式には一次試験を「計算技能検定」、二次試験を「数理技能検定」といいますが、要するに一次試験は短答式、二次試験は記述式の問題が出題されるということです。

ある程度の級を取得していると、中学・高校・大学の入試の際に優遇されることもあるので(入試優遇制度)、受験に備えて学生時代に取得した(させられた)という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

私が高校生の頃には、2級を持っているとそういう制度が使える大学があるみたいなことを耳にした気がします。

1級の試験について

さて、上の表で敢えて1級だけ書かなかったことにお気づきになられたでしょうか。笑

例えば、漢検なんかだと「準1級と1級の難易度の差が激しすぎる」というのをよく聞きますし私もそう思いますが、数検も同様で、1級の出題範囲は準1級の内容に大幅に追加が行われたものとなり、6.5%(2017年度)という合格率の極端な低さもその難関さを表しています。

1級の相当学年は「大学・一般」とされていますが、これは大学の教養課程で習う程度のレベルと思っていただければ良いです。

範囲としては、微分方程式、偏微分、重積分、基本的な複素解析、無限数列、線形空間、二次形式、回帰分析、数値解析などなど多岐に渡ります。もちろん、これに加えて準一級までの範囲も含まれます。

これだけ出題範囲が広いと勉強するのも大変ですが、もっと厄介な点は出題形式特に一次試験)にあります。

問題数や試験時間は受検する級によって異なりますが、1級の1次試験では60分7問を解答しなければなりません

つまり、単純計算で1問あたり8,9分程度しか掛けられないことになりますが、これがどれだけ大変かは高校や大学の数学の問題を解いた経験のある方ならお分かり頂けるかと思います。

とはいえ、1級1次試験の合格ラインは約70%程度、すなわち7問中5問の正解が合格ラインとなるので、最初から2問を無視して60分まるまる5問に充てるという作戦も可能です。この場合ミスが全く許されないので逆に難しい気もしますが…。

また、出題範囲がめちゃくちゃ広い割に7問しか出題されないので、勉強した分野が全く出ないことも十分あり得ます。

この辺は過去問で傾向を掴んで対策するしかないと思いますが、それにしても出題方法はもうちょっとどうにかならんもんかと思いますね…。まぁその厄介さを乗り越えてこその「1級」なのかもしれませんが(´・ω・`)

一方、2次試験の試験時間は120分で、出題される7問のうち必須の2問と選択の2問の計4問に解答することになります。記述式ということで1次試験より長めの試験時間が設定されていますが、個人的な感想としては2次試験の方が1次試験に比べて遥かに楽です。解答を見直す余裕までありますし。

ちなみに、数検では1次試験か2次試験のどちらかのみ合格した場合、次回以降は不合格だった方のみを受検することが可能です。私は学生時代に2次試験にのみ合格し、今回(2017年)1次試験を再受験して合格しました。

数検1級を受けた経緯

さて、上記の通り私は学生時代(大学2年)に初めて数検1級を受検したのですが、2次試験は合格したものの1次試験の方で不合格となってしまいました。

その後化学系の学部に進んだ私は、たまーに微積を使うことはあっても、いわゆる数学らしい数学の問題とは疎遠になってしまいました。

大学院を卒業して会社に就職すると、学生時代より余裕は出来たのですがアニメにハマってしまって(笑)全く勉強をしなくなってしまいました。

そんな生活が数年続いた頃、「さすがに何か勉強でもするか~」と思い立って本棚を見たとき、たまたま目に入ったのが学生時代に使っていた数学のノートでした。

もうブランクが開きすぎて高校数学すら危ういレベルまで落ちていたのですが、もともと子供の頃から数学が好きだったのもあった久々にのめりこむ感じで勉強を再開しました。

アニメもそうですが(笑)、一度何かにハマるとそれに異常なほど集中するのが私の長所でも短所でもあると自覚しています。

当時は会社を定時であがって、帰宅したら食事と入浴以外は深夜まで全て数学に費やす…そんな生活をしていました。受験生の頃を思い出します。笑

そんなわけで数検1級の範囲をさらうのは割とあっという間だったのですが、更に進んだ勉強もしたくなって気付けば範囲外の複素関数ベクトル解析にも手を出していました。

この辺りは母校の教養課程レベルを超えており学生時代にも触れたことが無かったのですが、却って新鮮で楽しかったのを覚えています。

そんな感じで受検した2度目の1次試験。やっぱり時間が足りないな~…と思いつつなんとか全問解答して会場を後にしました。

が、後ほど自己採点をすると計算ミスで2問間違っていることに気づいて焦りました。。1次試験は短答式なので解答までの経過が全く評価されないのが辛いところです(´・ω・`)

そんな地味な緊張感のまま1ヶ月ほど経った頃、念願の合格証が届きました!

なんとかギリギリ合格出来てよかったです。

そして結果は7点満点中4.5点!合格ラインは4点なので本当にギリギリでした…笑

数学検定の合格証
合格証(再掲)

数学検定、恐らく転職活動とかでも使うことはまずないでしょうし完全に自己満足だというのは分かっていますが、自分の勉強した跡をこういう形で残せたのはやっぱり嬉しいですね(^o^)

1級の出題例

さて、自分語りはこの辺にして、「実際1級ってどんな問題が出るんだ??」と思われた方へ。

こんな問題が出ます。

© 公益財団法人 日本数学検定協会 © 中村 力

例1なんかはまさに1次試験の過去問から引っ張ってきましたが、これ10分足らずで解けますか…?

おすすめの参考書・問題集

というわけで参考書や問題集の紹介をしたいと思いますが、そもそも書店に1級用の参考書が置いてあることがまず少ないです。準1級までなら大体どの書店でも見かけますが、1級となるとそこそこ大きな店に行かないと無い印象ですね…。

まず、各分野の基本についてはそれぞれの専門書で地道に学習し理解する必要があります。そのうえで、1級の受検に特化された参考書としては、私が特にお世話になったのは中村力さんが書かれた「ためせ実力! めざせ1級! 数学検定1級実践演習」というものです。

数学の参考書って、問題は良いものが揃っていても解説がすっからかんなものも結構多いんですよね。

そんな中、この本は問題の質・量もさることながら解説も充実していて、まさに1級の受検のためには必携の1冊です。受検を考えている方がいらっしゃれば是非おすすめします!

段位について

完全に余談です。現在の数検では1級が最高レベルとなっていますが、10年以上前には1級より上のレベルとして初段から5段までの段位が存在していました。

現在この段位システムは廃止されており、公式ページからも情報は削除されてしまっていますが、個人ブログや2chの過去スレッドなんかには残っていることもありますので、気になる方は検索してみてください。

出題範囲としては大学の専門課程以上となっており、私は完全にお手上げです(笑)

おわりに

リカレント教育」という言葉が広まって久しいですが、社会人になってから改めて「何かを学び直してみたいな~」と思ったことのある方も結構多いのではないでしょうか。

数学に限らず、例えばTOEICとかでも、こういう「検定」があるようなものだと目標の一つとして設定しやすいのでおすすめです(^^)

そんななか、これを読んでくださっている方でもしも数検1級の受検を考えている方がいらっしゃれば、先に挙げた参考書は本当にオススメですので是非一度手に取ってみてください!

また、参考までに次回の申し込み可能な受検日は10月25日(日)となっています。お申し込みは数学検定のホームページから行えます。

ではでは!

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